絵本「あらしのよるに」を読んで

「あらしのよるに」は児童向けの絵本として出版されたが、今では大人のファンも多い。
主人公は羊とオオカミである。

自然界では決して友達になれないこの二人が嵐をきっかけに無二の親友になって行くという話である。
オオカミが狩り出た帰りに、嵐になるそれで岩陰に隠れていると、誰かの気配がする。

暗やみの中で、姿が見えない。
それで、お互い相手は、自分と同じ狼と羊であると、勘違いする。
意気投合して、明日またここで会おうと約束する。

そして翌日、二人は、あの場所にやってくる。
お互いが、敵同士の間柄であることがわかっても、友情は変わらなかった。

それで、オオカミが仲間の狼から羊を救ってやったりしてますます二人の友情は深まって行く。
一部はそういう話である。

人間の社会でも、こういう出会いはあるだろう。
友情は損得抜きで、芽生えるものである。
子供達には、友情の大切さを教えているのだろう。

大人たちには、どのように共感するところが、あるのだろうか。
大人社会でもイジメはある。
そういう時に、このちょっとドジで、憎めないオオカミの行動が、慰めになる。

仲間から恨まれるかもしれないのに、羊との友情をとって、守ってやる。
そういうオオカミのキャラが、ホロッと、するところである。
絵本は、子供のためだけでなく、大人も読んで感動する名作はたくさんある。

「ビロードのウサギ」も、考えさせられる。
男の子が小さい時は大事にしてたウサギのおもちゃもやがて、古びでいつか忘れさられてしまう。

やがて焼却されるのだが、女神によって本物のウサギに再生する。
そして再び成長した男の子の前に本物のウサギとして登場する。
男の子は何処かで見た、ウサギに似てるなと思う。

ウサギは決して忘れないのに、男の子はもう忘れている。
人の心の、はかなさである。
これを読んだ子供達も大人になってもう一度読み返したら、ウサギの気持ちが分かるだろう。

絵本というのは、そういう奥深さを秘めている