老老介護

79歳の夫が75歳の妻の首を絞めて殺害した事件の裁判で、二人の愛情がにじみ出ている手紙が公開されました。そこには妻から夫へ「70歳の誕生日おめでとうございます。結婚40年。私を支えてくれてありがとうございます。孫にも恵まれ、誰よりもわが家が一番幸せな家族」「パパ、誕生日おめでとう。いつの間にか76歳になりました。いつまでもいつまでも楽しく生活できますようにお祈りいたします」と書かれています。

妻は数年前の脳梗塞で倒れてから、その後遺症に悩まされていました。一人娘は結婚して家を出ています。夫に対して妻は「死にたい」と言うようになったそうです。夫はこの妻の希望を叶えるために自ら手を掛けました。

誕生日を祝う手紙。この手紙には後遺症で苦しみながらも、夫との生活が幸せであったこと、幸せであること、これからも幸せでありたいという願いが感じられます。長年一緒に生きてきた二人にしか分からないものがあったのだと思います。

娘さんに相談することは出来なかったのだろうかと思います。夫は社会に戻り、妻を思いながら生きていくことになりました。娘さんも一緒に生きていくと約束しておられました。

私にも両親が居ます。そして夫にも両親が居ます。同居していないけれど、何かあれば必ず一緒に暮らして最期を迎えてもらいたいと思っています。同じ年齢の両親が支え合って生きていくことは子供にとっては嬉しいことです。けれど、どちらかがしんどい、辛いと思ったのであれば、その時は思う存分存分子供を頼って欲しいと思います。そして、何があっても親であり、子であるということを覚えていて欲しい。認知症などで忘れてしまっても、私が忘れない限りそこには揺るぎない菅家が存在しているということも。

夫婦の問題だと思ったから娘には相談しなかったとこの夫は言いました。違うと思います。夫婦の問題でもあるけれど、家族の問題です。頼ることが出来るのであれば、子供を頼ってください。そう願います。