“何にのめりこむ? “

のめりこむと聞いて、あなたはどんなことを想像しましたか。
恋人にのめりこむ、絵を描くことにのめりこむ、何かに熱中するという意味で捉えた人が多いのではないでしょうか。粘土に釘がのめりこむというように、今「のめりこむ」という言葉を物理的に使う人は少ないでしょう。

不思議なもので、言葉は時間が経つほど物理的な意味から観念的な意味合いをこめて使われるようになっていくと言われています。
英語のgiveも同じです。プレゼントをあげるという意味のgiveから、彼女は私に強いインパクトを与えたなどの心や考えを動かしたという意味に使われるようになっていきました。

理由は不明ですが、人は考えることや言葉遊びが好きな生き物です。
まさ人間自身が言葉遊びにのめりこめる生き物なのです。言葉が物理的な意味以外にも観念的にも使われるというのは、人間の頭脳が発達し、高尚な文化を築いてきた証ともいえるかもしれません。言葉ひとつで考えを深めることができるなんてすごい生き物ですよね。

頭の良い人ほど、比喩的表現や観念的な表現、遠回しに物事を言おうとする傾向があると思います。一緒に食事をした男性の会話が難しかったときは、このことを思いだし「この人は人間の中でも発達が進んでいる人なんだ」と考えましょう。そしてこの「のめりこむ」論、言葉は長く使われるほど物理的な意味から観念的な意味で使われるようになるという話をしてみてください。頭のいい人なら、喜んでその理由を考えることにのめりこんでくれることでしょう。そして相手との知的な会話に疲れたあなたにもしばし安らぎの時間が訪れ、ディナーを食べることにのめりこむ時間がやってくるかもしれません。